本学博士課程修了生が2019年度日本建築学会奨励賞(40才未満の学会論文賞)を受賞
2019年5月16日(木)【学生の表彰】
宮内(城戸)杏里さん(平成30年3月博士課程修了)が、今年度の日本建築学会奨励賞(40才未満の学会論文賞)を受賞しました。本学博士課程修了者では初めての受賞で、9月の建築学会大会で受賞式が行われます。受賞論文名と受賞理由は、次のようです。
屋敷神の礼拝圏と職業姓の分布から見た都市型住居の平面類型とその発展過程 ネパール・バクタプルにおける生活空間と都市組織に関する研究 その2 日本建築学会計画系論文集第82巻第741号/pp.2843-2853/2017年11月
本論文は、ネパールのカトマンズ盆地のバクタプル旧市街地の都市型住居と都市街区の形成過程について、屋敷神であるクシャトラパラを共有する住戸の配置や同一タール(職業姓)の分布に基づく街路両側のクラスター化等の分析に基づき明らかにしたものである。 本研究は海外を対象としているが、研究の客観性、信頼性を確保するための既往研究レビューが綿密に行われており、研究の目的も極めて明快である。また、街路両側を都市型住居の集合クラスターと捉え、この住戸の集合単体の基本構成が都市の街路や街区の形成に反映されるという仮説を、住戸集住型クラスターという概念を用いながら緻密な検証により明らかにする手法も鮮やかである。また、本研究は集落の面的空間、個別の建築空間に関する詳細な図面の資料的な価値に加え、得られた研究の成果が建築分野に留まらず、歴史や文化の分野においても貴重な知見であると考えられることから、日本建築学会奨励賞にふさわしい優れた業績であると評価した。