住環境学科|奈良女子大学 生活環境学部|授業紹介 住環境史論

Residential Architecture and Environmental Science

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授業の様子

授業紹介 住環境史論

2023年9月 1日(金)【

住環境学科建築史研究室の教員の坂井禎介です
私が文化財建造物(寺や神社や住宅等)の修理設計に10年携わり、宮大工など様々な職人さんと協力して仕事をしてきました。

文化財建造物の部材をひとつずつ取り外していくことでその内部構造がくまなく私が調査するとともに、その破損部材を修理する際には職人の技や知恵を目の前で見せつけられ、毎日が驚きと発見の連続でした。皆さんには、日本の伝統建築は、現代建築に比べて画一的に見えるかもしれません。しかし、全体から細部に至るまで様々なことが考えられて作られているんです。そここめられた様々な思いや美意識を皆と共有したいと思ってきました。
大学院生対象の住環境史論では、基礎から屋根まで、日本の伝統建築の作り方を教えています。私が修理現場や職人さんから学んだように、建物の作り方(構法)を学生に学んでもらおうとしています。それにより、日本建築に込められた様々な知恵や美意識を読み取れる目をもつことを目標としています。具体的には、石垣、柱や梁などの軸部、屋根や軒の構造、土壁、茅葺などの構造と意匠の話をしています。
この授業は写真上のように、学内にある佐保会館(昭和3年建設。登録有形文化財)の和室を使用しています。100年近く前に建てられた近代和風の建築です(外観は写真下)。スライドをみるだけでなく、和室の天井や柱を指さしながら建物の作り方の話をしており、日本建築の空間を目で体で感じる授業となっています。
皆さんも、古い建物に囲まれた奈良女子大の環境で学んでみませんか。

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