研究内容の紹介(生活空間計画研究室)
2024年1月 9日(火)【研究紹介】
生活空間計画研究室(山本研究室)では、建築・都市計画や歴史的景観・街並み保全、空間認知などの分野を幅広く研究対象としています。海外調査もしていて、この10年ほどはネパールの世界遺産都市の一つ、バクタプルのフィールド調査に行っています。
今年度は、バクタプルだけでなく、ヒマラヤの麓にありグルン族という人たちが住む、ラムジュン地区のブジュン村に2週間滞在して村落調査もしました。
ブジュン村は、標高1,700mに位置し約300棟の民家が密集しており、ラムジュン地区では最大規模の村になります。また、村に住む人々は農業と家畜の飼育で生計を立てるという自給自足の生活を営んでいます。ネパール地震や住まいの近代化に伴い、失われつつある民家・村落形式や伝統的な住まいのかたちを記録すために、ネパールの大学と9月と11月の2回に渡って、次の2つのテーマから現地調査を実施しました。
1つ目は民家の実測調査です。村の伝統的な住居は、長方形の形をした2階建てで、石積みと土塗りで造られています。また、1階が居住スペース、2階が倉庫であり、住居前には農作業用のオープンスペースがあります。約300棟ある民家の中から候補を絞り、約30棟の民家を実測しました。
2つ目の調査は、囲炉裏のある民家のキッチン(調理場)についてです。お母さん・おばあさんといった家族内で調理をする人に、伝統的な食器や調理器具の種類や使い道、調理・食事にまつわる思い出などについて聞き取りを行いました。実測を通して民家の構造(ハード面)だけを調査することだけではなく、村の人々の日常生活の在り方(ソフトな面)をも理解することが目的です。
村で撮影した写真から、調査や村の雰囲気を感じて頂ければと思います。
中村(学部3回生)