住環境学科|奈良女子大学 生活環境学部|研究内容の紹介(建築環境学研究室①)

Residential Architecture and Environmental Science

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研究紹介

研究内容の紹介(建築環境学研究室①)

2024年5月21日(火)【

建築環境学研究室で取り組む研究内容を教員の吉田が紹介します。
この記事では、研究室の取り組む内容の全体像を紹介します。

 建築環境学研究室は、2016年4月より吉田が主宰となり、再出発した研究室です。この研究室がキーワードとして掲げる「環境」とは、人間または生物個体を取り巻き、相互作用を及ぼしあう、全ての外界のことを表す概念です。簡単に言い直すと、自分以外の他は全て環境、並びにこれを構成する要素群と言えます。建築環境学研究室では、主として、人間スケールから都市スケールに至る多様なスケールにおける温熱、空気、エネルギー環境の観点から、より良い生活空間の形成方法を考える研究室です。下の表は、研究室が掲げる研究テーマとこれを明らかとするために利用、開発する技術シーズ(ツール、データベースなど)の関係をまとめたものです。多様な問題を実験、実測、数値解析技術(コンピュータシミュレーション)などを駆使して分析します。とりわけ、吉田自身の博士課程での研究テーマとも関連して、街路空間周りの温熱環境を数値解析技術を用いて評価・分析することには、多くの知見と研究実績があります。以下の図はその研究の一部を表すCGです。

 コンピュータと話すと、よく学生さんからは「私は建築設計に興味があって、コンピュータには興味がない」、「私は文系ですから(無理無理〜)」という反応が見られます。ですが、最近は、解析ツールの改良なども進み、比較的扱い易いフレンドリーなものも増えています。加えて、コンピュータを扱う際に必要な精緻に考える視点は女子学生の方が男子学生よりも優れている場合が多いと感じます。加えて腕力をはじめとする体力勝負とは異なるため、女性が将来的に実務で携わることが十分期待される分野に思います。また、基本的にコンピュータはどんなにすごそうに見えても、内側では小中学生レベルの四則演算(足し算、引き算、掛け算、割り算)に置き換えて考えているに過ぎません。(コンピュータは、)そんな赤ちゃんレベルの方々ですので、肩を張らず、リラックスして付き合うことが、長く付き合うコツかなぁ、と吉田は思います。ですので、最初の印象で尻込みせずに、気軽に興味を持ってもらえると幸いです。
 今回は、導入として、簡単な紹介にとどめました。今後、テーマ毎の詳しい内容を紹介できればと思います。どうぞよろしくお願いします。

表 研究テーマと技術シーズの関係
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図1 日傘を指す人体周りの微気候形成

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図2 街路空間の熱・風環境形成

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図3 福井地方の夏季日中の局地気候(風速、地表面温度の分布)