研究内容の紹介(建築環境学研究室②)
2025年5月 9日(金)【研究紹介】
教員の吉田です。建築環境学研究室の研究内容の紹介の第2弾です。今日は、暑さ・寒さを知る方法に関する基本的な考えを紹介します。
建築環境学研究室では、生活空間内の温熱・空気環境、建物の省エネルギー、居住者の健康などに着目した研究に取り組んでいます。とりわけ、生活空間内の暑さ・寒さに関する現状、課題などを明らかにすることに注目しています。ところで、皆さんは、具体的に何が分かったら、生活空間の暑さ・寒さの現状を知ったと判断しますか?いきなり、授業中の質問の様な問い掛けをしたので、答えに窮するかもしれません。色々な答えがあると思いますが、吉田は以下の2点に関する知見が得られると上述の問いの答えの一つが得られたと考えます。
(1) 温熱環境条件(気温、風速、湿度など)の時間変化、空間分布が分かる
(2) 温熱環境条件に曝露された人が表す反応(発汗、暑さに対する不満、愁訴などの表明)が見られる。
これらの知見のうち、(1)を知る具体的な手段には、
・実験
・実測
・数値解析(コンピュータシミュレーション)
などが挙げられます。
一方、(2)を知る具体的な手段には、
・被験者実験
・生理・心理反応のアンケート調査
・行動観察
などが挙げられます。
皆さんは、上記の様な手段のうち、どの様な手段を取り組みたいと思いますか?学生さんなどに聞くと、多くの場合、実験、アンケートなどの実施に興味を持ちます。ですが、各々の手法には下の表に示す様に一長一短があります。加えて、各手法の限界もあります。ですので、環境を知ろうとする際には、色々な手法を介したアプローチに興味を持ち、果敢に取り組むことが大切です。
大分、書きましたので、今日の紹介はここまでにします。次回以降は、各々の手法をピックアップして、説明したいと思います。
図2 代表的な手法②:数値解析(福井地方の夏季晴天日の局地気候の評価)