専門分野 | 建築史、歴史的建造物の保存修復 |
略歴 | 2010.03 東京大学工学部建築学科卒業 2012.03 東京大学大学院修士課程修了 2012.04 文化財建造物保存技術協会 技術職員(保存修復) 2022年10月より現職 |
担当科目 学部 |
建築・住居史、建築・住宅論、 設計演習Ⅱ、設計演習Ⅲ |
担当科目 大学院 |
住環境史論、歴史遺産保存活用演習 |
学位 | 博士(工学) |
所属学会 | 日本建築学会、建築史学会、文化財建造物保存修理研究会 |
教育・研究についてのアピール | |
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文化財建造物の修理の設計監理の実務を10年近く行ってきました。建築の修理現場は、建築の手術のようなものです。建物の構成要素を層ごとに取り外しながら、建物の内部の傷み具合や建物の部材の組み方を観察していく、ダイナミックな経験でした。その経験をした私は、建物の表層をみれば、その内部構造や当時の職人さんが何を考えたのか、建物が「透けて」見えるようになっていました。 建築は当時の美意識や職人技術や社会など様々な影響を受けて成立します。そのような建築の奥にある様々な構造や社会背景が「透けて」見える観察眼が身につけば、古建築を見るのが一層楽しくなります。そのために、奈良という良質な古建築が多数ある立地を生かして、現地の建築調査など様々な実践的教育をともに体感し、建築を様々な視点から観察できる観察眼を学生に養っていただくのが目標です。 |
最近の主な研究業績 |
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坂井禎介「狐鴨居による民家の意匠操作方法」『建築の歴史・様式・社会』(中央公論美術出版,2018. 1, pp. 367-376) |
坂井禎介「修復トピックス 重要文化財諸戸家住宅広間の特徴と構造補強」『建築史学 第70号』(建築史学会,2018. 3pp. 91-105) |
坂井禎介「近世民家における意匠操作」『東京大学学位請求論文(2018年3月通過)』(東京大学,2018. 5, pp. 1-314) |
坂井禎介「近世民家の五平柱 近世民家における意匠操作 その1」『日本建築学会計画系論文集756』(日本建築学会,2019. 2, pp. 457-464) |
坂井禎介「近世民家の平面積 近世民家における寸法研究 その2」『日本建築学会東海支部研究報告集第57号』(日本建築学会,2019. 2,pp. 549-552) |
坂井禎介「近世民家の座敷における長押成について 近世民家における寸法研究 その3」『日本建築学会大会学術講演梗概集(北陸)』(日本建築学会,2019. 9, pp. 869-870) |
坂井禎介「民家等の修理や復原における古材保存(材料)と形式保存(意匠)の対立」『建築におけるオリジナルの価値』(日本建築学会,2020.3, pp. 91-99) |
坂井禎介「近世民家における見せかけの柱と束-近世民家における意匠操作技法の類型化-」『建築史学 第74号』(建築史学会,2020. 3, pp. 35-63) |
主な文化財建造物設計監理業績 |
重要文化財 諸戸家住宅主屋ほか5棟修理事業(2012.4~2020.4) |
重要文化財 冨吉建速神社本殿及び八劔社本殿保存修理事業(2021.6~2022.3) |
重要文化財 愛知県庁舎保存修理(調査工事)事業(2021.6~2022.3) |
重要文化財 旧金比羅大芝居 耐震対策事業(2020.12~2022.3) |
広島市指定重要文化財 広島東照宮本地堂保存修理事業(2021.7~2022.8) |
重要文化財 滝山東照宮本殿ほか2棟保存修理事業(2021.9~2022.8) |
受賞歴 |
2018.8 文化財建造物修理主任技術者 認定(文化庁の文化財建造物修理主任技術者講習会の普通コース修了) |
2019.5 前田記念工学振興財団 前田工学賞(年間優秀博士論文賞。『近世民家における意匠操作方法』) |
2019.6 住総研 博士論文賞(『近世民家における意匠操作方法』) |